冬越

公式長編記録映画 日本万国博の冬越のレビュー・感想・評価

4.0
「もし一度だけタイムマシーンが使えるならどこに行くか。」と聞かれたら私は迷わず1970年大阪万博と言う。それほど、当時まだ生まれてすらなかった私はこのイベントに惹かれているのである。

ここまで惹かれる理由がこの作品を観て分かった。このイベントは岡本太郎のテーマ展示プロデューサーへの就任やコシノジュンコによる制服のデザインなどの芸術面の魅力に加え、高度経済成長期真っ只中の国民の高揚感によって大規模なお祭りのようになっているのである。そして、そのような異様な空気感はそれ以降なかったように思われる。だから、私はこの異様な空間に憧れを持っているのだ。

今では取り壊されていて何が展示されていたかを詳しく知ることが難しいので、1つ1つ細かく紹介されいてよかった。「人類の進歩と調和」というテーマから未来への希望ばかりを展示しているのかと思ったら現在抱えている諸問題についても取り上げられていて驚いた。

水上ステージやお祭り広場などで行われるショーの異常な程の盛り上がりが伝わってきて、自分もその場にいるような感覚になることができた。特に阿波踊りが印象に残っている。

やはりこういった記録映画は観ていて面白い。
冬越

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