なごみ

シルビアのいる街でのなごみのレビュー・感想・評価

シルビアのいる街で(2007年製作の映画)
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ええもう、だいすき…

駆け出しから、「あ これは私のための…?」と思い、彼女を追う途中とちゅうの裏通りや街の感じが、やけにノスタルジックというか、子供の頃夢の中で通った道はこれかな?とか思って、古都ストラスブールが自分の前世の故郷かと幻覚し、興奮してワンシーンごとの美しさにいちいち驚いて、(dvdでみましたが)全然前に進めず、、、おそらく上映時間の倍くらいかかってなんとか最後まで見れました.


「ベルリン天使の詩」でペーター・ハントケの詩「Lied vom kindsein」は途中「昔はたくさんの人が美しくみえた」なんて言っているけれど、まさにその子供の目に映る美しい世界というのを、限りなくそれに近いカタチで表現したのがこの映画だと言えなくも全くないのではないか。この映画では、大人である「彼」を軸に、これまた大人である街の女性たちに特に注目しているように感じるが、観者である自分はというと、こちらは子供の視点に置かれている/引き戻される気持ちであった。にぎやかで陽光の溢れる美しい街に、美しい・完成された大人たちをみている子供の気持ち…。この人の映画をみるだけで、私はいつでも子供に戻れるかもしれない、と夢をみさせていただいた… 今年に入って、ときめきで胸がえぐられた映画ダントツの暫定一位であります.


そしてこの映画をみて、セリフすくない・街の雑音 が好きなんだな自分、と気がつきました。


ホセ・ルイス・ゲリン作品を漁りたい気持ちだけど、手に入れるの大変そう。
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