櫻イミト

タブウの櫻イミトのレビュー・感想・評価

タブウ(1931年製作の映画)
3.0
F・W・ムルナウ監督の遺作。共同監督は「極北のナヌーク」(1922)「アラン」(1934)などセミ・ドキュメンタリーで有名なロバート・J・フラハティ。すべてポリネシア諸島でロケ、出演者は全員現地の素人。

第一章「楽園」
南国の未開の島に仲の良いカップルがいた。しかしその娘が長老から”聖なる乙女”の後継者として指名され、男が触れてはならない禁忌(タブウ)となる。
第二章「失楽園」
島から脱出した二人は近代化された島に辿り着き新生活を始める。しかし。。。

サイレントだが中間字幕は少なく、映像とシンクロした民族音楽がふんだんに付けられているためミュージカル映画の一種とも言える。南の島の映像は美しく切り取られ、ストーリーもシンプルでわかりやすい。ただ物語の結末があまりにも悲しすぎる。寓話のようにも感じるが、本作から何かを学ぶのはなかなか難易度が高いと思う。

※ムルナウ監督は本作完成直後に自動車事故により死去。享年42歳。
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