とうがらし

長江哀歌(ちょうこうエレジー)のとうがらしのレビュー・感想・評価

3.3
2006年ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞 受賞作

ある妻を探す夫。
ある夫を探す妻。
不在を考える長江の小旅行。

「出会う」よりも「探す」
探す行為と過程をメインに映しているように見えて…
実は、その背後で崩壊していく長江の景色を楽しむ内容。
「長江哀歌」を因数分解すると、「春江水暖」と「MEMORIA メモリア」が導き出される。

2人はお互いに探しているようで、別々の時間に別々の人を探している。
交わらない2人は、ある出来事が示されることで関係性が生まれる。
すすけた上半身裸の男たちが、どんぶり一杯に不味そうなうどんを持って次々現れる。
誰が喜ぶんだ!汚いおっさんたちの絵面!ってシーンが面白い(笑)
突拍子もなく、シュールもぶっこんでくる。
ジャ・ジャンクー監督、若干36歳にして、この激渋映画。
赤い水筒(小津安二郎オマージュ)は、日本のファン向けかな?


予告編
https://www.youtube.com/watch?v=3FKcupplP8c
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