私の映画人生のはじまり。原点。
原点にして終着点。
どんな映画を何本観ても満たされない想いは
この一つですべて満たされる。
そんな映画があることが誇らしい。
私の魂が無くなった時には
最期の時にこの映画を流して欲しいとさえ思う。
私のエンドロール。
そもそも、人生とは「花とアリス」だ。
愛とは、偽って信じてそれもいつしか分からなくなるほど好きになるものだし、自分って何なのか相手って誰なのかそんなもの気にせず落ちてしまってから考えるものだ。
アリスにとっての父親や母親への愛情が
繊細で惹かれる。
子どもとしての自分と成長していく中での自分の描写が愛しくて抜け出せない。
応援したいとかそんな気持ちじゃなく
ただずっと観ていたい。
美しく無いものがこんなに美しく見えるのならばずっと観ていたい。
なんでも美しくしてしまいたい。
観る度に何もかも忘れてのめり込みまさに
「瞑想」しているような状態。
そして尚且つ、癒されて、洗われて
本来の自分に戻される。
29歳の私は
そこには居ない。
花とアリスはいつだって歳に関係なく
私のことを魅力的だと伝えてくれる。
岩井俊二監督の
現実と非現実の境目、答えが無いことの美しさ、
日常の輝かしい瞬間の切り取り方、
人の感情のいとおしさへの美は何にも代えられない。
日本映画はこの映画があるから、良い。強い。
この人生で花とアリスに出会えて幸せでした。
ありがとうございます。