フンボルトペンギン12号

バトル・ロワイアルのフンボルトペンギン12号のレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.5
公開当時、世間を騒がせた問題作!

修学旅行に向かうバスに乗っていた中学生の一クラスは知らぬ間に孤島に運ばれ政府主導のBR法の名のもとに最後の一人になるまで殺しあいをさせられるというお話。

原作は未読。漫画は読んでおり、本作もかなり前に一度見ている。

長い話を一本の話にまとめているためキャラ描写は薄く感情移入はしにくい。
三村、杉村というスター選手も描写が最低限なので印象が乏しく、光子のバックボーンも匂わせる程度なのはもったいない。描写がほとんどないせいで杉村が琴弾を探してた動機も弱い。琴弾可愛いなとか言ってる場合ちゃうやろと。
キャラ描写で一番残念だったのが桐山。彼を快楽殺人目的でゲームに参加した転校生という設定にしたこと。この作品は同じクラスの気心の知れた友人、顔見知りが殺し合うという設定が恐怖と嫌悪感を喚起させるというのに、ゲームの為に参加した部外者が襲ってくるんじゃ根本的な部分ぶち壊しだろと。

しかしその分テンポはとにかく良かったし、ほとんどの生徒の死に様を見せきったのは感心した。

本作で一番で異彩を放っていたのが元担任、BR担当のキタノ(北野武)の存在感だった。単なる嫌なやつと言うより、誰からも嫌われた寂しい大人として描かれており年をとるほどに感情移入してしまう