Keitan

コールド マウンテンのKeitanのレビュー・感想・評価

コールド マウンテン(2003年製作の映画)
3.8
『命を継なぐコトヘの賛歌のお話』

20200419 070
レネー・ゼルウィガーつながりでアカデミー助演女優賞をとった本作。メインのストーリーは南北戦争の最中、ニコールキッドマンとジュード・ロウ主人公二人の一途な純愛物語だが、その裏で戦争の悲惨さや、何も出来ないお嬢さんニコールの成長などが描かれる。

ただそれ以上に印象に残ったのは、人間にとって理不尽な殺戮と必要な殺生が何度も描かれるコト。
敵と味方。追われる脱走兵。脱走兵の息子をかばう父母を殺す義勇軍。そんな人同士の殺し合いが行われる一方で、それとは対照的に生きるために動物を絞めて食べる場面も描かれる。海岸の生きた小さなカニを頬ばる。ニワトリを絞める。可愛がっていたヤギを殺して肉を食べる。生き物から命をもらって我々が生きている事も繰り返して描かれる。そして最後には繋がれる命の誕生まで。命の価値とは何なのかをずっと問われている、そんな作品だった。残された人々が寄り添って楽しく唄うブランチは素敵な時間だった。

気になっていたレネーの演技は、ブリジットとは全くの別人。粗野でエキセントリックで愛らしい面白いキャラクターを存在感抜群に表現していて賞の獲得は納得の演技でした。
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