bebe

僕の大事なコレクションのbebeのレビュー・感想・評価

僕の大事なコレクション(2005年製作の映画)
3.4
民族、ユダヤ、ホロコースト、差別、家族、ルーツ、調査。テーマは重たいけど、「調査」の中で徐々に明らかになってゆく真実を登場人物たちと一緒に追うのは没入感があって良かった!
音楽がすごくポップなのもちょっとしたグロテスク要素として好き。
これは長くなるから下に書くけど、邦題はやや残念だけど、物語を大きく変更してるので原題から大きく変えるのは成功かも。だって、映画だとEverything はilluminateされてないし。


以下、観た人向け。
読みたい人は読んでね。

この映画は原作『Everything is illuminated』から大きな変更がある。
原作は
1. アレックスが語る旅行記
2. アレックスからジョナサンへの手紙
3. トラキムブロドの寓話的年代記
の3要素だったけど、映画版では「旅行記」だけで、他の2つは削除されてた。

「手紙」パートは結構時系列が入り乱れてるので確かに映画には不向き。
「年代記」については一部、アレックスとジョナサンの旅の完結に必要な出来事は明かされるけど、年代記というよりは回想にとどまる。

だからあくまでもこれは「アレックスとジョナサンの旅」と「ジョナサンの祖父やバルクの過去」の映画で、付随するホロコーストや家族というテーマを原作以上に強調できてるのでは??

とすれば、ここで起こったのは物語の「変化・変更」じゃなくって、写真とペンダントに始まる旅の話への「限定」で、それが作品のテーマの純度を高めているとも理解できそう!
bebe

bebe