このレビューはネタバレを含みます
(2回目鑑賞時)
この映画は「嘘」についての映画なんだと思いました。
「嘘はついてはいけない」と、誰しも子供の頃から口酸っぱく言われてきたと思います。でも、嘘を吐かずに生きている人なんかいないわけで、それこそ人類全体が思ってることを包み隠さずバシバシ吐いていたら、世の中はたちまち世紀末になると思います。
この映画、色んな人が嘘をついています。自分に都合のいいようことを運ぶためにつく嘘、自分のことを認めてもらえないのではないかという不安から生じる嘘、相手を思いやってつく嘘。
それらは、人間生きていたら誰もが吐く嘘ではないでしょうか。
母親のいない少年とタバコ屋の店主は、そんな嘘にずっと向き合い続けなければならない、苦しい人生をおくってるようにみえました。
それらを踏まえて、最後のセリフ
「嘘がうまいのも才能だな」
「秘密をわけ会えるのが友達だ」
嘘を許すとってもいいセリフだと思います。
「やさしい嘘もある」というよりかは、知ってか知らずか口から自然と吐いてしまう嘘との向き合い方をおしえてくれました。
(1回目鑑賞時)
大学の先輩が「タバコって能動的に心を整理できるところが好き」って言ってたことを思い出しました。
大切にしたい感情が心の器からこぼれ落ちてしまいそうなとき、自然とライターに火をつけてしまいます。
地味で淡々としたシーンの連続です。けれども、登場人物の一人一人が、不意に訪れた感情を大事に大事にしている映画です。
(まあ単にニコチン依存じゃねーかと言われると否めない部分はある