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スモークのodyssのレビュー・感想・評価

スモーク(1995年製作の映画)
4.0
【人間を描いた秀作】

米・日・独合作、ウェイン・ワン監督作品。

NYのブルックリンを舞台に、タバコ店主、妻を失って書けなくなっている作家、黒人少年、片腕が義手の中年黒人男などの人生模様を描いた映画。

とっぴな筋書き展開があるわけではないが、ひとりひとりの抱えている問題がそれぞれにクローズアップされている。

喫煙に対する風当たりはこの頃から強くなっていたけれど、それでもタバコを吸うことに対するこだわりが、昨今の「禁煙=正義」という硬直した風潮と対比してみれば、むしろ人間的というか、体に悪いことも人間文化の一部というおおらかな味わいがしみじみ伝わってくる。

最後にタバコ店主の物語るクリスマス・ストーリーが何とも切ない。

人間を描いた、秀作と評すべきであろう。
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