ここ数年、あちこちのミニシアターでかかっていて、ずっと気になっていた本作をようやく鑑賞。
タバコ屋の店主オーギーと作家のポールは、一見全くタイプの異なるキャラクターに思えるが、困っている人を放っておけない優しさや、人間として最も大切にしている根本が同じだからこそ、作品全体に流れる温かくて心地良い空気が醸し出されているのだと思う。
物語の終盤で、オーギーがあるクリスマスの思い出をポールに語るのだが、彼の語りだけで情景が浮かんでくるような素晴らしさだった。図らずも、その後のエンドロールで観客はその情景を観ることになるのだが、あの印象的なパッケージはこのシーンを切り取ったものだったのか!と気付いた瞬間、これは映画史に残る名シーンだと確信した。
人生で大切にしたい作品がまた一つ増えたことがとても嬉しい。