超ええかげん批評

ダークナイトの超ええかげん批評のレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.7
この映画の見どころは何と言ってもジョーカーの存在である。これまでのバットマンシリーズではアメコミらしさのあるどこかコミカルなキャラクターで描かれていたジョーカーが、本作では完全なる悪人として登場する。
身体能力が高いわけでもない人間が類い稀な知能をもってしての完璧な策略、残酷で掴み所が無い中で時折ふざけた動きやジョークを繰り出す姿が実に恐ろしい。
対するバットマンはハイテク装備と高い戦闘術は持ちつつも、度重なる戦闘で満身創痍。人間臭さを残しどこか頼りなく描かれており、上映中は気が休まる暇がない。
終始暗くどんよりした雰囲気と重厚なBGMが犯罪都市ゴッサムシティの世界観に没入させてくれる。
冷徹非道な悪人の描き方と必要悪の在り方の新境地を開拓した作品だ。