いくまる

ダークナイトのいくまるのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.0
前情報がこれでもかと入ってきていて期待値を最高に上げても尚、楽しかったです。
冒頭の銀行強盗シーンは前作の映像特典に入っていたので「あ、これオープニングだったんだ!」という感想が先に出てしまったのですが、これ公開時に3年ぶりのバットマンとしていきなり劇場で観たらここだけで満足しちゃいそうなくらいかっこいいね。

ジョーカーの恐ろしさは、悪意が人間の形をしているって所でしょう。
金や名声を求める様子もなくただただ無慈悲で不気味。
捕まってからのシーンでバットマンと話す姿が一番活きいきとしていて、子どものような純粋さを持って「バットマンに構ってほしい」"だけ"でここまでやってるように見えるのが怖い。
ヒース・レジャーのジョーカーが人気なのも分かるわ。


ただ私は、バットマンというかブルースの危うさアンバランスさが好きみたいでね。
今まで彼に対してちょっと誤解?偏見?があったけれど、今作での葛藤するブルースの描写がどれもとても好みでした。
レイチェルの手紙の件が大好きだ…!
見ている方はもどかしいんだけど、あんなに人心掌握に長けているのにレイチェルもハービー・デントも上手く使えず自滅していくブルースが良かったです。

ハービーも割といい奴だったね。
確かに希望だったからこそ狙われた、というのは本心だろうなぁ。


私は映画を「推しの待遇の良さ」ではかるタイプなので、ジョーカー推しの今作よりはバットマン ビギンズの方が好きだったりします。
あっちの方がブルースの色々な顔が見られたり、意味わかんないメカがいっぱい出てきたので「そんな事もできるのー!?」っていう感動が大きかった。
比べるもんでもないけど。
続きとなるとどうしても既存のもののグレードアップになるもんね。仕方ない。

病院爆破や飛行・落下等派手なシーンが多い中で、ブルースが人として、ヒーローとしての生き方を模索する繊細な描写も多かったのが意外でもあり評価されるところなんだろうなと。
それでも最後まで人を大切に思うが故に人に頼れないブルース。
明るい未来が見えなくて辛い。
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