エリーン

ダークナイトのエリーンのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
イスラム国が台頭していた時期に書いたメモを残します。
力による”正義”があるところには、かならず悪が生まれます。そのジレンマにアメリカは今苦しめられています。映画のバットマン「ダークナイト」は、まさにそのアメリカ自身のジレンマを描いた傑作だと思います。
力による正義を実行するバットマンは、世界の警察アメリカで、バットマンが存在することで、それに呼応し、挑戦するべく、ジョーカーのような悪が生まれ出てきます。ジョーカーはこのジレンマを利用して、バットマンの”正義”を徹底的に問い、崩壊させてゆきます。
ロマンチストでピュアな"正義"の象徴は、議員のハーヴィーデントです。しかしジョーカーの策略により、バットマンが"力による正義"を遂行し、小さな市民の命の象徴である元恋人レイチェルの命を犠牲にし、バットマンにとっての正義の大義名分であるデントを救った時、デントは悪へと身を落とし、バットマンを憎悪し立ち向かう存在になってゆきます。
レイチェルはまさに、戦争の正義の大義名分(敵や敵対国家の打倒など)のためにマスの目で知らぬ間に見殺しにされていく、地上で空爆に怯える小さな市民たちの象徴で、デントは正義を力で遂行して生まれたISのような存在の象徴だと思います。
エリーン

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