門の主題。参拝者/観光客の為に東大寺は常に門が開かれており、そのためガイド役の戦災孤児達は移動の度にロングか画面内フレームに収まる存在として表象される。自由に行き来できる故に留まれない子供に如何にして近寄るか。その為に開発されたかのようなクロースアップに感動。
岩本豐太が戒壇院の四天王像を見に行くまでのフレーム内フレームのショット連鎖が素晴らしい。導かれるように門を越えて移動し続け、やがて先客の宮内義治と出会うが、すでに開かれていた門を通しての出会いが反復されるとき、そこに映る閉じた戸の存在に誰もが注目するだろう。
