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ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのabdmのレビュー・感想・評価

3.5
主人公は商売のためなら文字通り子供も捨てる、常に物事を自分中心の天秤で図り利益を得ていく冷酷だが仕事においてはかなりの秀才。そんな所謂資本主義の権化とも言うべき主人公の破滅を描いた今作。
そして今作もより重厚に仕立てるのはポールダノの存在。彼もまた、アプローチは違えど同じように搾取する側の人間であり、主人公同様の資本主義の権化とも言うべき存在。
パンチドランクラブでは不器用ながらも、そして不信ながらも好きな人を追う主人公で、とにかく目標があればそこまで走り切る人物だったが、今作も利益を追求するためだけに何年も何年も努力し、時には苦渋を舐めることもある主人公の人物像と似ているところはある。
もちろんやってることは全然違うので前者とは対照的に今作の主人公は走れば走るほど孤立していく、また自ら孤立を選ぶ。
クライマックスのボーリング場での一連は、
爽快感と切なさとやるせなさが同時に押し寄せてくる。
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