Lewis

ボビー・フィッシャーを探してのLewisのレビュー・感想・評価

3.9
チェスの才を持つ男の子の話。

偶然見つかった才能を、腕の良い師に磨かれて成長していく天才的な子どもの王道ストーリーかと思っていたら。それだけではない。繊細な人間関係や心情が加えられた、派手さはないけれど、素敵な映画でした。


大人から子どもに向けられた、期待感や思い通りに動かしたい欲望。

対して、子どもの、大人の言動を注意深く観察しているところや、自分の立ち位置を敏感に感じて閉ざしてしまいそうになる危うさ。7歳の可愛い男の子を上手に映していたと思う。

父親、コーチ、公園の友達それぞれの期待や、どうしてもついてしまう勝ち負けとランキングに。この子はどんな道を選ぶのだろう?と切ない気持ちで見守ると。自分の中でまぁ素敵な折り合いを見出して成長していることに感心した。大人にはない子どもの柔軟性と吸収力に感動。

主人公の子役はもう可愛いし驚くほど演技もうまい。年下のチェス仲間や、ライバルの子なんかも、適材適所でハマってた。ホームレスを演じるローレンス・フィッシュバーンの存在感も良かった。


子どもと向き合って父親が成長したのも良く、常に子の味方で守ってくれていた健康的な母親もみていて心地よかった。
父親、母親の役割も学べる映画なのではないでしょうか。
Lewis

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