塩

ドニー・ダーコの塩のレビュー・感想・評価

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
5.0
いたでしょ?クラスに。なんだか何考えてるかよくわかんないしまったく協調的じゃないし口を開くと他人には理解し難い話しかしない、実害はないけどちょっと気味の悪いやつ。
一般的に「良い」とされているふるまいが苦手だけど、おそらくそいつなりの真実みたいなものは手にしてて、その尺度で生きてるやつ。

理解できないとか、当たり前だよ。でも何か確信を持って行動してるやつってのは映画になるし、その映画はおもしろいよ。

最初のシーンで割となんでもない山をパーッと映してさ、なんかパジャマに裸足で道路に寝っ転がってる若いジェイク・ギレンホールがニヤッと笑うのよ。もうこれだけでこの映画が最高なことがわかるんだからすごいよな。

ドニー・ダーコは家でも学校でもちょっと困ったやつなんだけど、飛行機のエンジンが部屋に落ちてきてから、気味の悪いウサギの言うことを聞いてたら、なんでかわかんないけど全てがうまくいくのよ。ざまあみろって。俺が考えてたことが正しいじゃんって。でもそれは、幻想と言うか夢というか、あんまり確かなものじゃなくて、それに対するドニーの決着の付け方も泣かせるんだよね。

なんかリバースムービーとか、難解とか言われて、しかもどうやら確固たる”正解”もあるらしいけど、もっとエモい話だと俺は思うけどね。
塩