TadanobuOzawa

ドニー・ダーコのTadanobuOzawaのレビュー・感想・評価

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
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 レビューしたところで監督リチャード・ケリー氏の解説を読むと全く違う内容という事が分かる。

 なぜなら、「重要な役割を果たしている人物を登場させていない」うえに「存在を匂わせる演出すらしていない」からだ。

 それでも、辻褄は合わない。

 物語「解説を読まない場合」
 主人公ドニー・ダーコは、頭が良いものののカウンセリングでクスリを処方されるほどの情緒不安定を持つ高校生。

 自宅の自分の部屋に飛行機のエンジンが2回も落ちてくる稀有な運命を持ち、1回目は不在で助かるが、2回目はベッドにいたため即死。

 ただし、2回目は、クルマに轢かれて死んでしまった彼女との出会いはなかった事になってるので「2回目」ではなく時が戻っているのかもしれない。

 物語「解説を読んだ場合」
 未来人が主人公ドニー・ダーコを夢で操り「自分たちがウッカリ飛行機のエンジンだけ別の日に移動してしまった失敗」を3週間かけてなかった事にする。

 しかし、そのエンジンは、ドニーの母親と妹の乗っている飛行機のエンジンと監督が解説しているので母も妹も生きているのは不思議だ。
 
 この点が「時を戻した」のか「エンジンの時空を戻した」のかが分からない。エンジンは2回落ちたのか、1回しか落ちていないのか。

 他にも最後のシーンの日が地球最後の日なのか、日にちが戻ったのかが分からない要素がたくさんあります。

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 上映直後は赤字だったにも関わらず、そのあとニューヨークで深夜上映が28ヶ月のロングラン。DVDはディレクターズカットまで作られたというのも良くわかります。
 
 万人受けは難しいと思いますが、曲と雰囲気が良くて主人公やクラスメイトに感情移入出来るので普通に楽しめると思います。

 監督による解説はこちら。
https://www.jikanryoko.com/donii1.htm