けーはち

ゴルゴ13 九竜の首のけーはちのレビュー・感想・評価

ゴルゴ13 九竜の首(1977年製作の映画)
3.4
眼力のすさまじい、千葉真一版の実写化『ゴルゴ13』。香港マフィアのボスをつけ狙いつつ警察の手を巧みに逃れる国際的暗殺者デューク東郷、ゴルゴ13を中心にした香港ノワール。香港を主な舞台にしているためか邦画らしからぬ変なテンションは楽しいし、えぐい殺人術、荒々しい女との絡み、必ず眉間をぶちぬく超絶技巧の遠距離射撃、等々、複数エピソードを混合してはいるが原作劇画の肝を押さえた映画化で良好。また、外国人の話す言語は『デフォルト日本語吹き替え』がされている。邦画で外国人を出すときはこれで良いじゃないかって思う。しかし明らかにポーランドがモデルの国なのに当時国際情勢的に微妙だからか実名を出していないし、冷戦時代まっさかりというのに中共やソ連は絡まず、と政治的な腰の引けた作風は原作の厚みと程遠いと言ってもいいかもしれない。唐突に流れる主題歌が「ゴルゴ〜♬」と切々としたムード歌謡で脱力を誘う。