櫻イミト

白昼の幻想の櫻イミトのレビュー・感想・評価

白昼の幻想(1967年製作の映画)
4.5
ロジャー・コーマン監督の個人的ベスト作。なぜ今まで観なかったんだろうと後悔するくらい良かった。L.S.D体験がサブカルチャーに革命を与えた時代を象徴する作品。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と同年の薬物トリップ再現映画。

CMディレクター(フォンダ)が創作に役立てようとL.S.Dをキメて、徐々にバッド・トリップに落ちていき精神崩壊まするまでを再現する。。。

2年後に「イージー・ライダー」を作るピーターフォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソンの3人が、実際にL.S.Dツアーに参加した体験を元に取り組んでいるので、幻覚の再現度は相当に高いと思われる。

映像はまさしくサイケデリック。グルービーなサウンドトラックは”アメリカン・ミュージック・バンド”とクレジットされているが、その正体は同年に天才ギタリスト、マイク・ブルームフィールドが結成したスーパーブラスバンド”エレクトリック・フラッグ”。本作のサントラはフリッパーズ・ギターの”GROOVE TUBE ”(1991)でサンプリング使用されている。

1970年前後のサイケデリック・カルチャーに興味があるなら必見の映画と言える。その後の様々な作品の引用元にされているので、サブカルチャー好きも観ておいた方がベターな一本。

※冒頭クレジットで示される薬物使用に関する免責事項はコーマン監督の意に反するもので、最新のソフトからは削除されている
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