syuhei

ピクニックatハンギング・ロックのsyuheiのレビュー・感想・評価

4.0
遙か昔に観て内容もう覚えてない。1975年のピーター・ウィアー監督作品。

舞台は20世紀初頭、オーストラリアの女学校。女性教師と女生徒たちは巨大な奇岩ハンギングロックに馬車でピクニックへ。そこで生徒3人と教師が忽然と姿を消してしまう。必死の捜索にも関わらず彼女たちは見つからない。すると、ある日突然生徒の1人が帰ってくるも記憶がない。一体何が起こったのか…?

初めて観たときも訳がわからんかったが、今観てもやっぱりわからん。女学校、少女たち、ボッティチェリ、コルセットに手袋、少女に一目ぼれする少年、食虫植物、聳え立つ奇岩、裂け目、… すべてが性的な何かを象徴しているようで、でもハッキリとはわからない。不思議というより不気味な物語。

この映画で描かれる失踪は創作だが、いたはずの人が突然いなくなることの不気味さは実際の未解決事件や神隠しにも通じる。『のび太の日本誕生』も怖かった。この世界には時空の裂け目のような場所がポッカリ口を開けているのかもしれない。千葉にも"八幡の藪知らず"とかあるし。

神隠しとよく似た現象は、洋の東西を問わずにあるようで、有名どころではハーメルンの笛吹男があるし、日本には天狗攫いというのもあって、天狗の国に行って行方不明になった少年が帰ってきて語った物語を記した書物が残されている。>仙境異聞 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E5%A2%83%E7%95%B0%E8%81%9E

英語では「〜をこっそりさらう」は精霊を意味するspiritという単語を他動詞で使う。『千と千尋の神隠し』の英語タイトルが"Spirited Away"なのはそのため。

この映画、今ならTVシリーズでやったらツインピークスみたいにウケそう、と思ったら3年前にやってたらしい。>Picnic at Hanging Rock (TV series) - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Picnic_at_Hanging_Rock_(TV_series)

https://twitter.com/syuhei/status/1440289519299751940?s=20
syuhei

syuhei