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πのレクのレビュー・感想・評価

π(1997年製作の映画)
3.5
荒いモノクロ画面と刺激的な音響、サイケデリックな演出はセンスの塊。
そこに映し出される216桁の数字に取り憑かれた数学者が行き着く先の狂気。
天才でしか知りえない悦びと苦悩をサイバーパンクに描いたダーレン・アロノフスキー監督デビュー作。

サイバーパンクの巨匠と崇める塚本晋也監督作「東京フィスト」の影響でアロノフスキー自らが手掛けた長編映画。
妄執が肉体に影響を与えるサイバーパンクは脳を蹂躙し、鑑賞者の世界認識を激しく揺さぶる。
そして今作「π」は監督自身の追求していくテーマが明確に打ち出された処女作といえる。

‪有名なカルトムービー‬
D・クローネンバーグ監督作「ステレオ/均衡の遺失」を"異常"
D・リンチ監督作「イレイザーヘッド」を"混沌"
塚本晋也監督作「鉄男」を"変態(変体)"
とするなら今作は"戦慄"という言葉が似合う。
これらは一度観たら忘れられない強い印象の残る唯一無二の作品。
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