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ハゲタカのaaingのネタバレレビュー・内容・結末

ハゲタカ(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 かつて隆盛した、鷲津率いる「鷲津ファンド」と謎の残留日系3世、劉一華(リュウ・イーファ)を代表とする「BlueWallPartners」のアカマ自動車買収をめぐる戦いを描く。
突然の敵対的買収を仕掛けた劉だが、「アカマ自動車は日本のパイオニア的存在であり、現在失速している業績をパートナーとして支えたい。アカマは日本の魂だ」と友好的な姿勢であることを強調する。
 しかし実際には劉一華の後ろには中国の政府系ファンドLCISがおり、真の目的は国策であることを隠し日本に取り入ることだった。もちろんそんな言葉は信用せず、鷲津と提携して防衛を図ろうとするアカマだが、中国の国をあげての資金力は20兆円、買い付け価格で勝るはずもなく、株主はBWPに流れた。株式のシェアの大半を占められた結果に、アカマは鷲津との提携を解消、BWPとの新たな提携を発表する。
 鷲津の敗北に思われたが、突如アカマ自動車のアドバイザー「イースタン・ブラザーズ」の買収を発表。アカマ株の買い付けのためと思われた資金調達は全てこのためだった。何もさせまいと、またもやイースタン・ブラザーズを買収したBWPだが、これは鷲津の罠だった。イースタン・ブラザーズの実態は不良債権を証券化し売りつけるという悪徳商法で利益を上げるというものだった。鷲津は市場の開く時間を計算し、大量の預金を引き出すとともに株を売って売って売りまくった。
 資金繰りが滞った結果、イースタン・ブラザーズの信用はガタ落ち、アカマ自動車とともに株価は暴落した。


やっぱり金融で一番重要だと考えるのは情報の非対称性。
実態のない経営をしていても、それが周知の事実でなければ自転車操業はし続けられ、危険視もされない。
明るみに出た途端に株が投げ売りされ、株価は暴落、倒産に追い込まれる。情報の落差があるほどその反発が激しい。
でもアカマの自動車を再建したい、その製品が好きだという、定性的・人間的な感覚を忘れてはいけない。
こんな買い付け価格のみで勝敗が決まるような簡単な仕組みにはなっていないだろうが、まあおもしろかったかな。
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