80点満点中95点を叩き出してる傑作ジャンルムービー!
バックボーンも目的も何一つ定かではないヒッチハイカーに追い回される青年の逃亡劇を描く前半の緊張感と恐怖がまず素晴らしい。
砂嵐、闇夜、ガランとしたダイナーや留置所など主人公を襲う孤独と絶望を象徴する映像に見惚れる。
基本的には血生臭いバイオレンスアクションなのに、一つ一つの画面のルックがカッコイイ!
主人公がヒッチハイカーとの対決を決意した瞬間に雲間から差し出す光を捉えたショットなんて殆どアートの領域。
ここで主人公が対決を決意したからこそ、彼は最後に安穏とした人生を捨てて、ヒッチャーとの命を賭けた決闘に舞い戻る。
この展開の西部劇性の前振りを、夕暮れの風車を映すことできちんとやってのけてるのも最高!
殺陣シーンも直接的なグロはないのにめちゃくちゃフレッシュという最良のバランス。
特にクライマックスのトラックを使ったアレとかよく思いついたなあと感心しました。
あらゆる場所に現れる超現実的存在を怪演するルトガーハウアーの瞳のギラつきが最高に強烈!
これは掘り出し物でした。