ピカチュウのパパさんの映画レビュー・感想・評価

ピカチュウのパパ

ピカチュウのパパ

ややネタバレ御免
ベストムービーは2017年のベスト10

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.2

【ミステリーの皮を被った橋口亮輔映画】
本作スリービルボードを見て最初に思い出したのが、橋口亮輔監督作品「恋人たち」だった。
「恋人たち」にはこんな場面がある。
とある不条理な悲劇に襲われた男が弁護士
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デトロイト(2017年製作の映画)

3.8

【剛腕監督の静かな怒り】
冒頭、アメリカにおける黒人の悲惨な歴史をキャッチーなアニメーションで見せていくシーンを見たときに、作り手の本気で誠実な怒りが伝わってきた。
現在も根深く残る人種差別問題を改善
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工場の出口(1895年製作の映画)

-

『黒沢清 21世紀の映画を語る』という本の中で、黒澤監督がこの作品を絶賛していた。
曰く「フレームの外部を観客に想像させる初めての作品」とのこと。
youtubeで見てみたけど、たしかにあれだけ大勢の
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ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

4.0

【監督の怒りのメタファー】
優れたホラー映画とは絵空事ではなく観客が実際に慄く恐怖を描く映画であるとはよく言われるけれど、本作もその法則にばっちり当てはまる。
本作は気味の悪いクリーチャーが人間を襲う
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羊の木(2018年製作の映画)

3.5

森田芳光映画を彷彿とさせるようなオフビートコメディタッチ、でも確実に何か不穏な予感の漂う前半は面白いけれど、あんまりそれがいつまでも続くとだんだん慣れて飽きてくる。
細かい影の演出とかは面白いけど、い
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サムシング・ワイルド(1986年製作の映画)

4.5

サイコーにクレイジーでハッピーなラブコメディ。

破天荒ガールとの逃避行が徐々にハイスクール時代の怨念との対決に転換していくあたりでテンションマックス。
さらにそこからダメ男のワンスアゲインになるなん
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ヒッチャー(1985年製作の映画)

4.1

80点満点中95点を叩き出してる傑作ジャンルムービー!

バックボーンも目的も何一つ定かではないヒッチハイカーに追い回される青年の逃亡劇を描く前半の緊張感と恐怖がまず素晴らしい。
砂嵐、闇夜、ガランと
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.7

ポップでハイテンポなブギーナイツやマグノリアへの準備体操のように思えるP.T.Aのデビュー作。
賭博師たちの悲喜こもごもを大変渋く描く作品。
このタッチのお陰でかなり地味な印象があるのは事実だけど、後
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ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)

4.1

【負け犬たちの正しくないワンスアゲイン!】
最高に燃えるスポーツ映画!
冒頭のカーチェイスの暴力的編集から一気に観客を映画に引きずり込む。
ケイパーモノのようなワクワクの詰まったチームメンバー収集と、
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

3.7

【無垢な少女の歪な視線】
50年代ベトナムのとある裕福な家庭の日常を、奉公少女の視点から描く。
この設定をかなり徹底しているからこそ、ありきたりなホームドラマが実に歪なバランスで成立している。
その一
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.5

【王道青春映画(ショック度500)】
最高に面白かった。
今年一番ショッキングな映画体験なのは間違いないと思います。
でも、ショック描写だけを理由に見るのを躊躇するのはあまりにも持ったいない作品です。
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.9

【エモーションvs気狂いピエロ】
世俗を馬鹿にし本や映画を「高尚」なものだと思っている、そのくせすぐに永遠の愛を乞うロマンチストでもある男フェルディナン。
そんな彼とは対照的に、世俗的な文化を愛し活発
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デッドゾーン(1983年製作の映画)

4.3


寒々しい、物悲しい映画。
何故ならこの映画は「マクロな物語に逆らえない人々」の物語だから。

ある日突然巨大な不条理に押し潰され決定的に人生が狂ってしまう主人公。
その瞬間を示すシーンで、文字通り巨
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.8

【ピューリタン家族版葛城事件】
邦画当たり年などと言われるほど傑作邦画揃いだった2016年の映画界の中においても、ひときわショッキングな作品だった「葛城事件」。
父権主義に縛られた横暴な父親を中心に一
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

2.8

映画の続編には大きく分けて三つのタイプがあると思う。
①前作で描かれたことへのアンサーとなる作品
②前作と物量や展開の明暗によって差をつける作品
③前作にあった一部の要素を拡大しまくり映画としての体す
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.4

再鑑賞 最高of最高
服飾、フード、インテリア、建物、文学、音楽といった人類が積み重ねてきた文化と
それをこよなく愛し、戦争という非理性的状況の究極の中でもその幻を守り続けてきた人々と
そのような人々
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.0

血湧き肉躍る娯楽活劇を現代においてこれほどまで誠実に作り上げている作品も珍しい。
所謂ツッコミどころなんてものは山盛りかもしれないが、裏切りと駆け引きの連続展開と、それを盛り上げるやんやんやんやの大運
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デッドマン(1995年製作の映画)

4.0

【ジャームッシュ映画の輪廻転生】
オムニバス形式から普通の劇映画に、しかも初期の黒味繋ぎ白黒映像に回帰したジャームッシュが撮ったのはなんと西部劇。
しかしオープニングからして彼の持ち味である「反復」描
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.7

【スピルバーグが描く人間】
スティーブンスピルバーグの映画というものは、レイダース、宇宙戦争などに代表されるようにファミリー向けに見えて実はかなり悪趣味な表現のオンパレードである。
その悪趣味さとは陰
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.2

【ポンジュノの奇怪さが濃縮されたデビュー作】
デビュー作にはその監督の全てが詰まっているというジンクスは本作にもピタリと当てはまる。
本作は明らかに変わった映画だ。
笑い、興奮、感動、恐怖、悪趣味、苦
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.8

【デパルマはヒッチコックがお好き】
シャワールームでの殺人、殺されるブロンド、美術館、そしてオチに至るまでヒッチコックのオマージュが臆面もなさすぎるほど詰め込まれている。
しかしそれでいてヒッチコック
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ヤング≒アダルト(2011年製作の映画)

3.9

【スウィート37モンスター】
主人公が善人ではなくむしろ感じ悪く嫌な奴である映画は意外と多い。ソーシャルネットワークなどがその代表かもしれない。
しかし本作は「感じ悪い主人公モノ」の極北に達した作品で
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

ジム・ジャームッシュ最高傑作かも。
彼の十八番とも言える「反復」と「差異」の演出は殆ど乱用と言えるほど劇中に撒き散らかされています。
わかりやすいところでは、都市ごとに違う車窓からの風景やタクシーの様
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ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版(1978年製作の映画)

5.0

【死者達への夜明け】
完璧。世界一面白い映画!
今も脈々と続き最早一大ジャンルと化したゾンビ映画の原点にして頂点。
これを観ない奴はバカだ!

本作の最大の面白さは「ショッピングモールという空間で世界
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

【大林宣彦はデビュー作からヤバかった!】
とても正気とは思えない。
ありとあらゆる映像技巧が駆使され、普通な場面は一箇所もない。
大林監督はよく「自分の近作だけを特別扱いしないでほしい」と語っているが
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ハロウィン(1978年製作の映画)

3.9

例えば殺人の起こった家が「いわく付き物件」などと言われたり、
昔見た悪夢をずっと覚えたいたりするように、人間にとって恐怖というものは一度感じてしまうとニ度と払拭できない不可逆性を持っている。
本作はそ
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花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

4.4

【恐怖という普遍への飛び】
年末にとんでもない作品が登場した!
上映館は少ないけれど今劇場で絶対観るべき作品なのは間違いないです。

なぜ僕がこの映画をここまで推すのかといえば、映画として非常に「豊か
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人魚姫(2016年製作の映画)

4.2

【やっぱりチャウシンチーは映画をわかってる!】
少林サッカーで世界中のボンクラにガッツと感動を与えた中国の喜劇王チャウシンチー。
彼の作風を一言でまとめるのなら「コテコテ」に尽きる。
とにかく登場人物
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.0

【「今」を歌うアイツらに乾杯】
なぜ人は心情を言葉にして
あるいは物語にして
あるいは歌にして表現するのか。
いきなりスケールが大きい話題だが、本作はまさにこの問いに対しての回答のような作品だと思う。
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

3.8

ローグワンスターウォーズストーリーのトラウマから早一年。
どうなることやらというテンションで臨んだが結論から言えば、なかなかの快作でしたYO!

まずアクションシーンがめちゃくちゃ豊富だったのが嬉しい
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ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

3.7

80点満点中70点を取っている作品。
つまりジャンルムービーとしては大合格!

監督はゼログラビティのアルフォンソキュアロンの息子ということだが確かに言われてみれば類似点の多い作品だ。
特に「広大な空
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.5

ニコラスウィンディングレフン監督作品は「ドライヴ」だけ見ているが、北野武などと同じく、何百回と見てきたコテコテのあらすじを「解体」することで初めて魅力が発揮される作家なのではないか。
「ドライヴ」に関
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

【1979年から放たれる「家族の形」】
タイトルから何となく『フォレストガンプ』のように、一人の人生を実際の映像素材や舞台となる時代の流行歌をふんだんに取り入れて描く「年代記モノ」かと想像していた。
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タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~(2011年製作の映画)

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番組ファンには最高のプレゼント。
フェイクドキュメンタリーに始まるが段々とカット割りが細かくなり、中盤の長回しで見せるサプライズを境に普通のエンタメに移行するのも楽しい(監督は第9地区を意識したらしい
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ビジランテ(2017年製作の映画)

4.5

入江悠監督と言えば「オラこんな村イヤだ」イズムを持つ傑作を生み出してきたイメージがある。
しかし本作を観て、彼は「世界の不条理に気づいてしまった人間の葛藤」という物語を常に描きその先に「オラこんな村イ
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続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

4.0

【ニューシネマの中に宿る信念】
スピルバーグ作品の中で唯一のニューシネマと言えるのではないか。
70年代に商業映画デビューはしているが「激突!」に「ジョーズ」に「未知との遭遇」にと明らかにニューシネマ
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