しまかす

ノートルダムの傴僂男のしまかすのレビュー・感想・評価

ノートルダムの傴僂男(1939年製作の映画)
3.6
ディズニーのアニメーション映画を子どもの頃によく観ていたけれど、あちらのラストをよく覚えていない。でもエスメラルダが大好きだった。

醜さが罪であるならば、人を狂わせるほどの美しさもまた罪なのだ。今作で新人女優としてファムファタールを演じる若かりしモーリン・オハラがとにかく超ド級の美人。男達が次から次へと、まさに目の色を変えて“恋する男”の瞳になっていくのが分かる。目の表現が何倍にも強調されるのは白黒映画の良いところ。そして、何よりも彼女の美しさがカジモドの醜さを際立たせる。両者をはじめとする登場人物達の造形が完璧すぎるし、その他のセットや衣装、小道具なんかも細かいところまで気が配られていて、およそ80年も昔の映画とは到底思えない。しかも音楽はアルフレッド・ニューマン…こんな作品を自宅でゴロゴロしながら観られるなんて、本当に良い時代に生まれたもんだなあ。


非モテの陰キャ達は結局最後まで報われない。しかし原作者のユゴーは女とヤりまくりの絶倫男だったわけで、それを思うとやる瀬ないわね、全く。
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