みおこし

ジキル博士とハイド氏のみおこしのレビュー・感想・評価

ジキル博士とハイド氏(1932年製作の映画)
3.7
最新作から一気に時代が遡り1801本目。主演のフレデリック・マーチがアカデミー賞獲得、作品自体もヴェネチア映画祭金獅子賞を受けたということで鑑賞。

全ての人間には善悪の面があると唱えるジキル博士。自らの悪の面を開放させるために薬を開発し実験した結果、凶暴な野人ハイドと化し...。

開始早々、良い意味で度肝を抜かれちゃう天才的な演出が光る名作でした...!とても1932年とは思えない。
まず冒頭からジキルの主観ショットで始まり、作中にもふんだんにズームアップを取り入れた圧倒的なカメラワーク。ちょっとした小道具の撮り方もとにかく冴えていて金獅子賞獲得の理由が冒頭から納得できました。さらにはジキルからハイドへと進化して行くシーンも、当時としては画期的。どんどん体毛が生え、もう麗しすぎる超正統派イケメンのフレデリック・マーチのお顔が醜悪になっていく過程が見事。どうやって撮ったんだろう?!撮影トリックがめちゃめちゃ気になります。本当に笑っちゃうくらい別人に変身するんだもん!

ミリアム・ホプキンス演じる娼婦アイヴィーの描写がなかなか生々しくて、戦前の映画なのにこれ大丈夫なのかと思ったら、まだヘイズコードが敷かれる前だったとのこと!ギリギリのシーンがあっても許された理由はここにあったのですね。

とにかく古典作品として観ると、そのクオリティの高さに圧倒される名作でした。飽きずに最後まで観られたし!おすすめ!
フレデリック様が当時の役者さんの中でもダントツにイケメンで、どこかジュードを彷彿とさせる美しさでした(笑)。
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