とぽとぽ

キング・コングのとぽとぽのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
4.0
And the prophet said : 純粋にワクワク楽しい!映画史に刻まれて今日でもあらゆるポップカルチャーで出典引用される"美女と野獣"的特撮映画の原点(※ここで言う特撮とは巨大生物・怪獣映画そして将来的にはロボット込みのジャンルとほぼ同義と捉えてください)。作り物や合成、皆でよってたかってあれこれ案を出して作っては、そこにない非日常に観客を誘う映画の醍醐味がピュアな純度で詰まっている。まるでおもちゃ箱で無邪気に遊ぶ子供のよう!でありながら、そこにメッセージやメタファーも込めるような懐の深さも見え隠れする。例えば世界恐慌の影響が色濃く出たアンの生い立ちや、他にも人類学的、性的等の観点である。原住民も出てきて、見ていて飽きないし、それぞれのキャラクターがしっかりと生き生きしているのも魅力的。色々と丁度良い。変にコングの描写に凝ってキャラクターを持たせる事なく純粋に狂暴なのも様々な原点として良い。当時流行りのジャングルものから見世物としてニューヨークれ連れてこられて最後はエンパイア・ステート・ビルへというアイコニックさ。作中のセリフにも答えるなら、白人のエゴ過信が好奇心を存分に満たしてくれる!作り手としてはやっぱり例え辛かろうと一ヶ所にとどまって掘り下げることが真の面白さや共感に繋がるのだと改めて実感させられた。また、自分のストップモーションを好きだという気持ちも再発見。ヒトラーも本作を気に入っていたらしい。
EIGHTH WONDER
OF THE WORLD
「美女が野獣を殺したのだ」
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