ユーゴスラビア解体がきっかけになって発生し泥沼化していたボスニア紛争時のボスニア軍・セルビア軍の中間地点の無人の塹壕で両軍の兵士が鉢合わせたが、ボスニア側の1人が地雷の上に寝たまま動けなくなる。たがいに手を出せず膠着状態に陥り、両軍は国連防護軍に解決を依頼する。
国連防護軍の隊員であるジャン・マルシャンは地雷処理班を呼ぶが・・・
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では20万人の死者と数百万人の難民が発生した。国連の無力さを批判する報道はよく見かけられるけど国連の役割りは大きいと感じた。例え機能不全に陥っていても、戦争の不条理に対抗する存在を。
ボスニア兵とセルビア兵が「どちらが最初に手を出したか」を言い争い、「いかに相手の軍が非人道的か」を怒鳴り合うシーンが、戦争の不毛さを端的に表しているとおもう。
ジャン・マルシャンがこう発言するシーンがある。
「目の前で殺し合いが行われようとしているとき、傍観することは殺し合いに加担するのと同じだ」と。
この言葉が、米国やロシアが第三国の紛争に介入するときの口実になっていることにも注目したい。米ソの介入が戦争を泥沼化するパターンが多い。