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ピーター・セラーズの愛し方 〜ライフ・イズ・コメディ!のみおこしのレビュー・感想・評価

3.2
名優ピーター・セラーズの知られざる半生に迫った一本。最初の妻との結婚に始まり、『ピンクの豹』『博士の異常な愛情』『チャンス!』などの名作の撮影秘話、後の妻となるブリット・エクランドとのエピソードなどが綴られていきます。
見た目がもともと似ているジェフリー・ラッシュが、さらにセラーズに似せた迫力の演技を見せてくれている点がまた味噌。

しかし、ピーター・セラーズのファンとしては、こんな彼は見たくなかったというか、とてもお近づきはなれないなと悲しくなりました...(笑)。極度のマザコン、不倫を重ね、家の中で子供がいても暴れ回る。実際の彼がこういう人物だったのなら、その事実は拭えないですが、あえてこんな風に映像化する必要があったのかなと正直がっかり。偉大な俳優としての側面ではなく、とっつきにくいめんどくさいおじさんとしての側面を誇張して描いてしまっているため、これはファンの皆さんにはなかなか鑑賞に耐え難いはず。
名コンビで知られた監督ブレイク・エドワーズとの関係性も、実際はこうだったのかと思うと悲しい限り...。
しかし、ジェフリーのなりきりぶりは圧巻だったのでそれを観られただけでも満足。

また、シャーリーズ・セロン、スティーブン・フライ、ジョン・リスゴー、エミリー・モティマー、そしてスタンリー・トゥッチと、往年の映画史の人々を名優たちが演じるのを観るのは楽しかったです。
特にブリット役のシャーリーズの美しさったらもう...!!
60年代のポップカルチャーやファッションもおしゃれに描写されていたし、BGMも当時のヒット曲ばかりなのもツボでした。

だからこそセラーズの描き方がなおさら残念でございます...。
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