しょたーん

スワロウテイルのしょたーんのレビュー・感想・評価

スワロウテイル(1996年製作の映画)
5.0
日本円の価値が最も高く世界中から労働者が集まるような世界。母親を亡くしたアゲハは娼婦グリコの元、不法労働者のフェイホンやランとゴミ漁りや屋台の仕事をしながら過ごしていく。偽札作りで得た大金を元手に、ライブハウスの経営を始め、グリコは歌手として認められていくが。。。

性描写、ドラッグ、暴力がてんこ盛りでどう修正しても放送コードにのらないため、テレビ放送がない傑作映画。せっかくNetflixで見られる時代なのだから見てください!!

いい意味で色褪せて見え、架空の世界線なのに懐かしい雰囲気。この世界では日本が世界中で最も経済が順調、こんなことはもう俺が生きているうちにはないんだろうなと思うと胸がキュッとします。

出会った頃はグリコにまだ子供だからイモムシねと言われていたアゲハが、自分の意思で物事を決めていき、大人へ成長していく。事件はほとんどグリコやフェイホンの周りで起きているけれど、この映画の主人公はアゲハだと思います。

偽札で成り上がる前の貧しいけれどどこか牧歌的な雰囲気の暮らし、都会で仕事に埋まりながら暮らしている自分にはどこか羨ましくもありました。

フェイホンがグリコの看板を街角で見つけたことを思い出しながら命尽きていくシーン、そして彼の亡骸を風車を背景にランが燃やすシーン、美しすぎます。。。

エンディングはyen town bandのスワロウテイルバタフライ。明日は一日中聞いてしまいそう。