matchypotter

ポルターガイストのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ポルターガイスト(1982年製作の映画)
3.5
オカルト界の元祖金字塔映画、『ポルターガイスト』。

『悪魔のいけにえ』のトビーフーパー監督、脚本はなんとSスピルバーグ。

80年代のアメリカの普遍的でのどかな新興住宅街の、普遍的な家庭に起きる、恐るべき心霊現象の数々。

冒頭でどれだけのどかでどれだけ普遍的かを一瞬で刷り込んでくるスキルがスゴい。

そして、少しずつ異変を描いていくが、それが異変なのか、偶然なのか、この一家になかなか感じさせないところから始まる。

どこにでもある騒々しい家族団欒を一気にぶち壊していく流れ。

今の世の中ではすっかり見かけることもなくなってしまったザーザーしてる“2チャンネル”的なブラウン管テレビの映像。
ある日突然、この画面を食い入るように見つめて話しかけ始める少女キャロルアン。

このシーンがなかなか印象的な作品。
他にも嵐を装って一気にこの家族を襲いかかる恐るべき体験。

その出来事でキャロルアンが失踪する。失踪するというか、何者かの力で“あっち”に連れて行かれてしまう。
しかし、彼女はこの家のどこかには存在していて、テレビを通して声が聞こえてくる。

ここから“あっち”の専門家達を呼ぶ騒動になり、キャロルアンを取り戻す家族の奮闘が始まる。

この新興住宅街に発覚した過去。“怪談話”では定番中の定番のネタ。
そして、この家で次々に起きる怪奇現象。

子供の頃、興味本位でこれを観てトイレにも行けなくなり、風呂にも入れなくなり、寝れなくもなり、観て後悔した記憶が蘇る。

Sスピルバーグが関わっているだけあって、話の段取りや盛り上がり方や現象の描き方がとてもエンターテインメント。

改めて観ると音楽や演出技術もただただ驚かそうとするだけではなく、1つ1つが何か意味ありげに描かれている。
途中で現れる霊媒師もそう。強く逞しく、優しい。

だから、ジャンルとしてはオカルトホラーだが、ドホラーというより『E.T.』とかに近いSF要素を感じる。
とは言え、たまに突然オカルトらしい描写もあったりして気は抜けない。油断してると危ない。

娘を“あっち”から救い出すために立ち向かう父と母の強さ。勇気。

絶対的な恐怖と対峙する話だけど、アットホームな家族の絆や、普遍さが念頭にある。これもまたSスピルバーグらしさ、かも知れない。

そして、“あっち”は簡単に鎮まらない。
最後はもはや大炎上のお化け屋敷。これはトビーフーパーらしさ、かも知れない。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
『matchypotterと映画の秘宝』
https://matchypotter.com/
作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


F:2297
M:7542
matchypotter

matchypotter