まった

霧の中の風景のまったのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
4.4
幻想的で、綺麗で、でも儚く哀しい

2人の姉弟が、実在するかも分からない父親を探す旅に出た。画面には常に美しい映像と姉弟の張り詰めた感情、そして作家の超現実とが混ざりあい、どうにも全体から儚さ、悲哀さが漂っています。
題名の「霧の中の風景」の意味掛けが効いていました。霧の中(混沌とした世界)へと踏み出した先、映像による2人の感情描写、表現は言葉にできないくらい素晴らしい。
混沌とした世界の中に光と闇が生まれたのだ。果たして2人は何処にたどり着いたのか。掴むことのできない霧の中、内なる霧を晴らすため歩き続ける2人の姿には心が揺さぶられました。

ここまでつらつらと語りましたが、語れば語るだけこの作品の情緒、繊細さが失われてしまう気がします。
まった

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