霧の中の風景の作品情報・感想・評価

「霧の中の風景」に投稿された感想・評価

緑色がない世界で、彼女は寝ることも食べることも許されないが、さまざまな乗り物を見て、移動することができた映画。
彼が恐くないとい言い、霧を払い、彼女の手を握る。


ペールブルーの毛糸の帽子。

このレビューはネタバレを含みます

Blu-ray
ビルディングスロマンなのだろうか。旅の途中で見つけたフイルムの欠片の中に見えた一本の木に遂に出会う。ラストは先に進むことを怖がる姉を幼い弟が励ますまでに成長している。

ギリシャの12、3歳の姉と5、6歳の弟がドイツにいると夢想するまだ見たこともない父親を家出して探す旅に出る。さまざまな善意や悪意に出会い、旅芸人の青年に淡い恋をしながらも旅を続ける。そして・・・。

淡々とした描写に魅せられているうちに、いつの間にか姉弟の行方を見守る気持ちから、なんとか父親の元に到着して欲しいという思いに変わる、その間の「おとなの世界」に一緒にハラハラドキドキし、ふたりの成長を辿る。

終始、姉の強い意志のある視線と弟の愛くるしくも素直で少し大人びた表情に吸い寄せられた。名作。
春男

春男の感想・評価

5.0
何も言いたくない。
けど、死ぬほど分かりたくて話したい。

こんなにも詩的なのにすごいリアリティ。
すごい計算し尽くされているのかもしれないが、とにかく時間や尺を役者が感じずにただ目的に向かって進む。

わたしはこの世界がとても残酷で奇跡のように綺麗だなと思う。この映画の世界が奇跡的に現実とも繋がっていて、わたしに強くそう思わせる。
けい

けいの感想・評価

3.5
いちいち「なぜだろう?」と考えて楽しむ映画ではない。むしろ「なんだろう」というワクワクが大切である。
長回し、あまり動かないカメラ、映像美に凝っている

まだ見ぬ父親を幼い姉弟が訪ねて何千里?
お金無しで無茶苦茶な旅に出る2人

オープニングから悲しい感じが伝わってくる
ラストをどう解釈するかが最大のポイントなんだろと思う

音楽はワンスアポンアタイムインアメリカにちょいと似てるとこも
12歳の少女と5歳の弟が父に会いにアテネからドイツ行きの列車に飛び乗る。会ったこともない父、ホントにいるかもわからない父を目指す2人の冒険潭。無賃乗車が見つかりで降ろされ、出逢った旅芸人一座の青年が親切にバスやバイクに乗せてくれジワジワ北に進む。青年が拾ったフィルムの切れ端、霞んで何も見えないゴミフィルムを少年はポケットに仕舞い込む。トラック運転手に狼藉受けたり警察に追い回されながら幼い2人は父がいると信じて未知の国へ手を繋ぎながら進み、とうとう霧が立ち込めるドイツ国境線の河面に着く。夜霧に紛れ一艘のボートで河を渡る2人、国境警備隊の銃声が1発闇に轟く。翌朝、彼岸に流れ着く2人、霧が少しづつ晴れてきて霞んだ先の野に一本の大きな木が見えてくる。2人は一目散に駆け出して行く…。実体のない希望に向かって進む恐れを知らない子供の勇気。この映画を挟んだ前後作『旅芸人の記録』『こうのとりたちすさんで』では一転、歴史に翻弄され放浪する芸人一座や境界線に閉じ込められた移民者を描き対比しながら観るとすこぶる面白い。

このレビューはネタバレを含みます

必要以上な長回しと
暗い雰囲気が常にある。

子供達が顔も知らない父を探しに
アテネからドイツを目指す物語。
「なるほど、よくあるやつね〜」と
気楽に観ていたら序盤で
それは嘘だと発覚する。
え、物語どうするつもり?と
思ったが、父を探す話から一転し
現実からの逃避行。
それでも突きつけられる現実の厳しさ
(レイプは現実の厳しさなんて微塵も
思いません。あのおっさん死ね)
社会では大人であることが必要不可欠で
強制的に大人へと変化していく…
駅でお金を求めるシーン、
あれめっちゃ悲しいです。

また映画を深く勉強してから
もう一度観たいと思います。
正直、中盤の例のシーンは不快とかそれ以前に普通に引いた。
だが、不必要に挟まれたシーンと言うわけでもないことは明白で、現実の残酷さ、ゴールの存在しない旅の空虚さ、それら全てを物語るうえで必要ではあった、というジレンマ。

序盤は、アンゲロプロス成分多めでありつつ、瑞々しいジュブナイルものの気風を湛える感じで、あそこまでなら家族みんなで観れるファミリー映画なんだけど。
そこらへんには、アンゲロプロス観てれば「おっ、これは?」となるシーンが多分に挟まれ、時代背景的に絶対違うのに「旅芸人の記録」、「狩人」、「シテール島への船出」のバックグラウンドに、この小さな旅があったのかな、と思えてくるような秀逸な繋ぎ。

旅の中で、様々な経験を経て、明確に大人になっていく(ならざるを得なかった)ヴーラとアレクサンドロスの描写も非常に現実味があっていい。
アンゲロプロス作品の中で、明確に上位に位置するであろう作品だが、観ていて正直気分は沈むので好きにはなれない。
少なくともファミリー映画だと期待して観た、二時間前の自分の考えが甘かったことを悟った。
ギリシャからドイツまで、あったことのない父親を探すために旅をする姉弟のドラマ
なんと実話がベース

途中でまじ最悪な事が起きる...😔

ギリシャってもっと陽気で気ままなイメージがあったので、こんなにも暗い雰囲気だと思ってなかった
少女の心。

色々と唐突な登場をするので、そのシュールさをはらんだよくわからない空気が良い

冬の湿り気のある空気は趣がある。電車が去っていく姿はこれがトリップムービーである事を示す。

とても味わい深いのは、この映画には社会が描かれていて、子供達と一緒に私たちがそれを知ること

彼らは何も知らないがゆえに危険を察知できない。その逆も然りで、知らないからこそ飛び込める強さもある。
食べるのには働かなければいけない。職がないなら、物を売るしか無い。悪い人もいれば、踏みとどまる人もいる。
劇は必要とされなくなり、人々の関心は移ろいでいく。国境。食べるための家畜。

どうすれば良いのかわからない。それがあの石像一つで表現される。直喩的なメタファーはハッとなった。これも世界を描いてる。

こんなにも世界や人生が描かれているものがあるのかと思った。こんなにスケールの大きなものを僕は初めてみたかもしれない。
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