胸がキリキリ痛む過酷なロードムービー。長回しってあんま良さが分かんなくて、だから何?くらいに思ってたんだけど、この映画については、長回しが効果的に思えた。旅芸人たちの海辺でのギリシャに関する劇の台詞…
>>続きを読むギリシャ映画の巨匠テオ・アンゲロブロス監督の独特の、詩的で、静謐な映像で綴られるロード・ムーヴィー。幼い姉弟が父を探して、ギリシャからドイツへの旅に出る。列車を乗り継ぎ、途中、警察に追われ、いろいろ…
>>続きを読む目的地の存在しない、辿り着くことのないロードムービー。
子供2人が無軌道に行動するけれど、思い通りにいかないことばかり。途中そのリスクが1番嫌な形で発現してしまって心苦しくなる。
長回しが多用され…
奇跡のようなショットがいくつもある。ドアの隙間から見える雪、雪と人、ニワトリ、上演されなかったリハーサル… 突如挿入される超現実的なイメージ。映画のおもしろさってこういうものだよねという一つの解だと…
>>続きを読む 子供が外の世界で大人からの優しさや(性的)暴力、生き物の死に触れ、労働、恋と失恋などを経験して″霧の中の木″を見つける話。
終盤でようやくきちんとお金を払って列車に乗れるようになったけど、そこ…
ギリシャに住むシングルマザーに育てられている12歳と5歳の姉弟が、家出して会ったことのない父親がいるというドイツに向かうという物語。
母親はまさか子供たちがそんなことをするとも思わず、ドイツに父親が…
改めてアンゲロプロスの映画の日本語字幕が池澤夏樹であるのは、奇跡的な幸運であり、同時に必然だと思う。
この映画において、雪は幼い2人以外の時間を止め、2人を警察から逃した。池澤夏樹は
「雪が降…
お姉ちゃんの自覚と覚悟を無粋な言葉を用いずに長回しの中の圧力で完璧に伝えてくるのがマジですごい。見せないし会話をしなくても回し続けることで生まれる何かがあるし、肝要な瞬間さえ映画のうちに切り取れれば…
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