ブタブタ

ヴァンパイア/最期の聖戦のブタブタのレビュー・感想・評価

ヴァンパイア/最期の聖戦(1998年製作の映画)
3.5
GANTZみたいって感想も多いけど『GANTZ吸血鬼編』の元ネタ成分も多分にあり、そもそもGANTZ自体がこういうありとあらゆるB級SF・ホラー映画のパロディ。
ミッション毎に宇宙人だの怪物だの色んなタイプの相手を出せるんだからGANTZって画期的だった。
昼間潜んでいる吸血鬼達を見つけ出し狩り出す、バチカンに雇われてるプロフェッショナル集団。
この吸血鬼ハント設定は『オメガマン 地球最後の男』に近い。
先ずこの吸血鬼スレイヤーズの出で立ちが現代的な特殊部隊、フル装備のライオットスーツなのにそれとはアンバランスに持ってる武器はボウガンや十字槍で、更にそれがシルバーメタリックの、それこそ一昔前のSF映画に出てくるみたいなピカピカで、このキッチュなデザインも対吸血鬼の特殊装備感があって厨二病心を刺激します。
吸血鬼の上位存在ていうか噛まれた人間ではなくて初めからの吸血鬼を「魔鬼」って呼んで区別してて、更に始祖吸血鬼バレックの襲撃でチームは呆気なく全滅。
生き残ったリーダー・ジャック(ジェームス・ウッズは相棒のトニー(兄アレックスにそっくりな弟ダニエル・ボールドウィン)
吸血鬼に噛まれた娼婦カトリーナ(シェリル・リー)と共にヴァレック率いる魔鬼軍団との戦いに挑む。
吸血鬼ハントのくだりが派手でバカバカしくそれでいて理にかなってる。
ワイヤー付きのボウガンで打ってそのまま釣りみたいに車で引っ張って太陽光の下まで引き摺り出す。
太陽を浴びた吸血鬼は全身からジェット噴射みたいに火を噴き出して炭化する。
『ツイン・ピークス』のローラ・パーマー役で世界的に有名になったのにその後パッとしなかったシェリル・リーを久々に見たけどすっかりおばさんぽく(失礼)なってて場末の娼婦感が見事に出てた。
しかし20年近く経って『ツイン・ピークス リターンズ』に登場したシェリル・リーはこの頃からあんまり変わってなくて白人の女優さんて年取るのも早いけど、ある程度の年齢から殆ど変わらなくなるのかも知れない。
吸血鬼に噛まれて段々と吸血鬼化が進むカトリーナを守って、という事にはならずジャックは一応はヒロインなのにカトリーナに対して殆ど関心を示さない。
代わりにトニーがカトリーナと一緒に居るうちに惹かれていく。
この辺りの描写がジャックは実は「女性に興味がない人」で、最後も「どこにいてもお前(トニー)を探し出して殺す」とか何か愛の告白みたいだし、バチカンの若い神父アダムへの暴力的な可愛がり方とか、ジャックと行動するアダムは何かお稚児さん的な感じもするし多分にゲイセクシャル的な匂いがする。
フランク・ダラボン監督が映画によく出てくる「運悪くそこにいたせいで車を奪われる一般人」役でカメオ出演している。
ジョン・カーペンター監督の新作を待ちつつ幾星霜。
このまま終わって欲しくない。
企画中のスネーク・プリスケン完結作『エスケープ・フロム・アース』は絶対に見たい。
この映画はバルク9が出来る前にあった東映パラスで見た。
ブタブタ

ブタブタ