「D-WARS」
韓国とアメリカの合作映画。
ジャンルはなんと「怪獣映画」である。
映画の中でよく「宿命」というキーワードが出てくる。
この映画もそうだ。
本作ではこの「宿命」により主人公が何かを悟り、
「宿命」ゆえにヒロインと出会い、
「宿命」ゆえにヒントが与えられ、
「宿命」ゆえに(以下エンドレス)
どんな物語でも「たまたま」とか「運命的」とかの要素がないと
話が進みません。
江戸川コナン君の行く所で必ず事件が起こる事に
いちいち突っ込んではいけないのです。
しかしこの都合の良い展開があまりに多すぎるとこう言われます。
「ご都合主義」と。
ここ最近観た映画ではダントツで脚本が手抜き。
子ども向けアニメでもここまでは酷くないぞ。
「ご都合主義」でググッたら「D-WARS」って出ても不思議じゃない。
「なんでこんなに酷いの?」と思いながら観てたら、
後半の展開を観てなんだか脚本が手抜きの理由が分かった気がした。
後半に現代に蘇ったモンスター軍団がアメリカ軍と戦うのだが
このシーンだけはなぜか今までがウソみたいに大迫力!すげ~燃える!!
個人的には異世界の「アバター」のクライマックスよりも
現代の町並みで繰り広げられる今作の大バトルの方が趣味が合う。
今までヘボヘボ感は何だっのか!と言いたくなるほどに出来がいい。
あとで調べたらこの映画、制作になんと6年もかけている。
おそらくCG等のポストプロダクション(撮影後に行なう編集等の作業)に時間を割いているのだろう。だからこの大バトルだけは異常に見応えがあるのだ。
そしてこの大バトルを見て悟った!
この作品の監督はこの大バトル「だけ」に全身全霊を費やしたのだと!
もしかしたら監督、セルDVDのオーディオコメンタリーでは
「これがやりたかったんで脚本は手を抜いたんだよね(笑)」
なんて言ってたりして。
でも本当もそう思えるぐらい「脚本の出来」と「大バトルの出来」に落差があるのだ。
というわけで脚本に興味のある方には過剰な「ご都合主義」が
どれだけストーリーをダメにするかを学ぶにはもってこいの作品です。
たださっき書いたように迫力のある大バトルと、
ラストに出てくる正義の「龍」は見物であります。
この「龍」、いわゆる西洋の「ドラゴン」ではなく東洋の「龍」なのです。アニメ版日本昔話のOPに出てくるような。たぶん実写映画で出てくるのは初めてでは?
大バトルと龍「だけ」は観る価値はあるので
ぜひ日曜洋画劇場あたりでやってたら観てくださいね。
しかし制作に6年か・・・脚本に時間をかけたらよかったのに・・・