マリちゃん

哀しい気分でジョークのマリちゃんのレビュー・感想・評価

哀しい気分でジョーク(1985年製作の映画)
5.0
もし「コメディアンの性(さが)」の説明を求められたら、自分は「本作のビートたけしを見てくれ。それのことだ」と伝えたい。
不真面目なことは真面目にできるけど、真面目なことは真面目にできないのだ。
瀬川昌治の演出の見事さは、本作の切り返しがルビッチのそれに匹敵するほど的確なことを見れば明らかである。
もし『少年』や『たけしくん、ハイ!』に滲むような人間ビートたけしが好きなら、本作を強く勧めたい。
コメディアンとしての「不器用ですから」。
本作を演ずる上でのビートたけしのタレントとしてのタイミングと、瀬川昌治の名演出が奇跡的に遭遇した一本。