ヨシダ

その男、凶暴につきのヨシダのネタバレレビュー・内容・結末

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

刑事の吾妻(ビートたけし)は過剰な暴力行為を働きながら捜査をおこなう問題児。
その凶暴性と協調性の欠如により署内で孤立していますが、岩城という同僚だけが吾妻に親しく接するのでした。

吾妻は新人刑事の菊地とヤクを巡る事件の捜査を始めます。
そこで同僚の岩城が組織にヤクを横流しにしているという情報を得ます。
戸惑う吾妻を他所に岩城の身辺捜査が始まりますが、彼は口封じのために殺されてしまいます。

吾妻が事件の黒幕を追いつつ、岩城を殺した清弘という殺し屋に復讐を果たすといったストーリーです。

本作の魅力は、たけしの色気と目を覆いたくなるような暴力性につきます。
躊躇なく暴力行為を働き、人を殺める吾妻はアンチヒーロー像を体現しています。又、殺し屋を演じる白竜の迫力も見事です。
正義と悪の争いではなく、この「悪vs悪」の争いという構図が本作が「アウトレイジ」の原点であるといわれる所以なんでしょう。

北野映画特有の乾いたバイオレンスがさく裂しており、非常に迫力のある作品となっております。
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