イチロヲ

大魔神逆襲のイチロヲのレビュー・感想・評価

大魔神逆襲(1966年製作の映画)
4.0
爆薬の製造を企んでいる強国により父兄を拉致された子供たちが、魔人が眠っている山を越えて、労働の現場へと赴こうとする。大映京都製作の特撮映画「大魔神」シリーズの第3弾(最終作)。

「自然災害と荒神様」を関連付けていた時代の物語。勧善懲悪の王道パターンであり、捕まえられた父兄を助けようとする子供たち(全員男子)の「スタンド・バイ・ミー」状態が、ドラマティックに描かれている。

雄大な大自然を背景にした、山登り、川下りが収められているので、ロードムービー感覚を楽しむことが可能。ヒロインのお姉さんが不在だが、子供向けのドラマ展開と反権力闘争のカタルシスが、しっかりと内包されている。

後半に入ると、舞台が厳冬期に移り変わり、大魔神が猛吹雪の中で大暴れ。「ロードランナー 対 ワイリーコヨーテ」のような、ブラック風味の闘いが展開される。やることをやり切った感が半端ないため、本作がシリーズの潮時で大正解。
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