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チャップリンの黄金狂時代のmikumiku1188のレビュー・感想・評価

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)
5.0
チャップリンの代表作と云えるサイレント映画の傑作。

今年になって三作目のチャップリン。1925年製作の作品で勿論サイレント。
今回の鑑賞は後に音楽と解説を挿入した後の作品でした。
上映時間が69分と今迄私が観た作品の中で一番短い作品でした。

この作品の中のシーンは余りにも有名なシーンが数多く有り、チャップリンの魅力を再確認するには丁度良い作品でしょう。

まずゴールドラッシュ時代に金鉱を求めて極寒の地をトレード・マークのスタイルで登場したチャップリン。それだけで笑いを誘うってしまう魅力が有ります。
猛吹雪の中、ようやく小さな小屋にたどり着くが、余りの寒さと空腹に革靴を煮込んで食するシーン。
まるで美食品を食べて居る様な動きで観て居る者の錯覚を誘う様である。
靴ひもをパスタの様にフォークで纏め上げて食するシーンなど見事です。

そして極寒の町の酒場で働く美女たちの前でスピーチが苦手と挨拶代わりにパンとフォークを使って見せるダンスステップ。まるで生き物の様に感じさせる素晴らしい芸です。その時のチャップリンの美女たちに向ける目の演技には数多の思いを込めた演技力を感じさせてくれます。

これ又魅力的なシーンは突風によって崖っぷちに移動してしまった小屋の中で大男と二人落下しそうになって不安定な小屋の中で繰り広げるドタバタ劇。
これも多くのコメディアンが転用して居るコントのネタのバイブル的な場面。
絶妙な二人の動きと落下してしまうと言うスリリングな味を見事に溶け込ませています。

その他にもチャップリンの動き(演技)には私はハッとさせられるシーンが多く、素晴らしい映画に感じてしまいます。

私は変に、いや単純に感動しすぎる点も自分では認識して居ます。映画の根本
とも言えるサイレント作品を弁士(古いですね)による語りで観て見たいとも思います。
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