キットカットガール

チャップリンの黄金狂時代のキットカットガールのネタバレレビュー・内容・結末

チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

終始、デビュー当時のミッキーマウスを思い出した。ミッキーのモデルがチャップリンという話もこれで納得。本当にそっくり。そして、チャップリンのはにかみが徐々に癖になりつつある。笑 可愛らしい。にしても、やっぱりあの衣装はどの作品でもスタンダードなのかな?

本作も相変わらずコメディとしてだけではなく、ゴールドラッシュがベースとなり、社会情勢も反映されていた。お金という物体を得る事により周囲の目がどれほど変化しどれほど生活の制限が解かれるのか、そういったちょっと皮肉的な要素もあり、物悲しさも感じる。喜怒哀楽、様々な情動が引き起こされる濃い時間となった。
「笑いと悲しみは紙一重・表裏一体」と松本人志さんが言うように、チャップリンの物語に含まれるコメディの裏には必ずトラジディがある。ただ彼が作り出す哀愁に言葉は要らない。人間が生まれながらに持つ普遍的な悲しみをナチュラルに描いてくれる、本当に表現力に富んだ方だとしみじみ感じた。それ故に年越しのシーンは胸が苦しくなるほど切なかった。

✴︎チャップリン本人のナレーションとは知らなかった!

自分へのメモ:

有名な革靴を食す場面は、靴の革を海藻で、釘を飴細工、靴ヒモはイカ墨スパゲッティで造ってある。このシーンは何度も撮り直しをしながら修正を行ったために、撮影に3日かかり、63回撮り直された。ちなみにチャップリンと、マック・スウェインは何度も海藻の靴を食べたために下痢に悩まされたという。
冒頭のチルクート峠を越える大勢の探掘者を映し出したシーンは、シエラネバダ山脈で撮影され、近くのサクラメントにいたホームレスなど600人をかき集めて撮影された。このようにチャップリン映画としては異例の大規模なロケーション撮影が敢行されたが、チャップリンが風邪を引いたり、悪天候で撮影が思い通りに進まなかったこともあり、他のシーンはチャップリン・スタジオでの収録に変えられた。スタジオ内に大掛かりな雪山や街のセットを作り、雪は塩と小麦粉で代用した。また、トム・マレイ演じる指名手配犯が雪崩に飲み込まれるシーンでは特撮も使われており、「チャップリン映画の中で最も力が入っている作品」とする評価もある。(Wikipediaより)