かん

おくりびとのかんのレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
4.0
なんて美しい映画なんでしょう、って思った。
東北が舞台なのもいいね。生や死、自分の人生についてゆっくりとした時間の中で考えることができる。
食事をおいしそうに食べるのが印象的で、きっと死に携わるものとして生きることの象徴、喜びでもある食に感謝しているのではないかと思った。そして最初は遺体を汚いもののように扱い、職に恥ずかしさを感じていたように見えたが、死者に尊敬を持っていること、自分の職業に誇りを持っていることがご遺体を扱うときの所作から伝わってきた。
職業柄、生死と隣り合わせであり日常化してしまうのだがしっかりと最後まで尊厳を持って生きていただけるように、また亡くなられた後もなるべく悔いがないようにご家族とも接していきたいていうように思う。

本木雅弘さんの所作の美しさ、広末涼子さんの可愛らしい奥様の演技、余貴美子さんのどことなく気になる雰囲気を出すおばさん、そしてなんといってもタカシササノさんの演技。素晴らしかった。
タカシササノさん
銭湯のおばさんが亡くなった後最初にうつるところ、「死」を「門」であると話すときなど素晴らしい演技。間違いなく主人公はこの人の仕事への信念をみて影響を受けたでしょう。

日本人には特に、必ずみてほしいなあ。
かん

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