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ロレンツォのオイル/命の詩のhokaのレビュー・感想・評価

3.1
ALDという不治の病に犯された息子に、医学が試みなかった科学的アプローチを模索し懸命に救おうと、オレイン酸とエルカ酸の混合物を与える事で進行を遅らせる効果がある可能性を実証した。

進行する病気の息子に相対する静かな狂気を孕んだ母親の揺るぎない信念と、畑違いの父親の執念が限られた時間を相手に躍動する。

邦画の《震える舌》と同様に絶望の中にあるはずなのに、権威的医学に絶対的な信用を置いていないので、もっと積極的にコミットするスリリングなストーリー構成になっている。

医学の進歩には時間と資金がかかる事は事実だし、御役所の認可も十分な実証実験を経ないと下りないだろう。
認可を下ろして効果がなかったり、副作用があったら大きな責任問題になるからだ。

それにしたって日本の厚生労働省は後手に回りすぎている様にも思う。
一つには日本人には自己責任を負う意識が希薄であることも一因だと思う。

S•サランドンの息子の発作に眉一つ動かさず語りかけるシーンは、恐れ入りました。
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