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フェリスはある朝突然にの豚のレビュー・感想・評価

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
4.0
学校をサボることに命を捧げる高校生フェリスの破天荒な一日を描いた青春コメディ。
「デッド・プール」でもお馴染みの作品で、たぶん今世界的にレンタル数がめちゃくちゃ上がってそう。
個人的な「デッド・プール」の復習兼2回目への予習という動機で観たのだけれど、正直「デッド・プール」より面白かった……。
フェリスの徹底した学校をサボるための努力と熱意がとても楽しく、さまざまな仕掛けの巧妙さに舌を巻く。
サボって遊ぶというただそれだけの内容なのだけれど、友情や恋愛、自分の行く末、そして自己の確立という思春期に抱えるいくつものテーマがほんのりと描かれていて、清涼感たっぷりの物語は後味抜群。

特徴的でもある"第四の壁を破る"行為に関しては、とくに理由付けはされていないのだけれど、とにかく多くの場面でこちらに話しかけてくるのが印象的。
とはいえそれ自体はただの演出の一種で、物語の推進力になっているわけではない。

物語の主軸が"学校をサボって遊ぶ"という点に尽きるため、場面がポンポンと変わり展開もコロコロと変わっていくさまが小気味良い。
中盤に訪れるシカゴ美術館では、監督のジョンヒューズが幼いころに何度も訪れた施設とのことで、愛情たっぷりに撮られているのがとても心を引かれた。
あとは何と言っても、ビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」に乗せて参加者たちが踊るパレードのシーンが強烈に楽しい。
実はこのシーン、曲に盛り上がった一般の人々が本当に歌って踊り始めるという予定外の嬉しいアクシデントがあったそうで、それがこの場面の嘘に見えない楽しさを作り上げているのかなと思う。

とにかく楽しく笑える作品で、遊び心も満載です。
80年代オールドファッションも一回りどころか二回り以上経過した今観ると、意外とキュートだなと感じました。
主役のマシューブロデリック含め、登場人物みんなの活き活きとした演技が爽やかで非常に心地よかったです。
色々な意味でパワーをもらえる映画。
もちろん主人公の行動に是非はあるものの、その根はとても真摯な人生賛歌を伝えているのではないかと思います。





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