土屋ノリオ

フェリスはある朝突然にの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)
4.0
『ブルース・ブラザース』『バックドラフト』など、シカゴを舞台にした作品は多いのだが、シカゴ出身でシカゴ育ち、『ブレックファストクラブ』『プリティー・イン・ピンク』を作ったジョン・ヒューズ監督のシカゴを舞台にした日本初公開作品。公開当時の日本はバブル経済の真っただ中で、少し勘違いをしていたのだろう。日本が一番だと思って浮かれていた時に突然現れたのが本作。もうすぐハイスクールを卒業する主人公フェリスの学校をさぼった一日の映画なのだが、今観てもセンスあふれる感性とBGMでどんどんと面白くなって行き、引き込まれていく。
「人生は短いから、今を楽しまなくちゃ損」なキャラは現在では感性の一つとして理解されるかもしれないが、当時の日本では考えられない考え方。日本の80年代学園モノと言ったら、真面目と熱血で貧乏くさいドラマ『金八先生』、校内暴力などの大映ドラマ『不良少女と呼ばれて』などで、同じ1987年の邦画公開作品としては『スケバン刑事』、『ビー・パップ・ハイスクール』などを考えるとエンターティメントの世界では、当時アメリカとは大きな差があったと痛感させられてしまい、ハリウッドご都合主義の作品ではあるが、今観ても十分に楽しめる青春映画(個人的には金八先生、ビー・パップ・ハイスクールともに大好きです)。
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