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未来を生きる君たちへのaのレビュー・感想・評価

未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)
4.4
未来を生きる僕たちへ

原題「復讐」
まずフォロワー様たちに伺いたいのは、いじめた、またはいじめられた経験はあるだろうか。私はいじめたことは少しある。
今となってはもちろんないが、まだ人の心とか感情とか考えが分からず無闇に他人を傷つけてしまった経験は少なからずある。もちろん、今はとなってはあの頃に比べ、多少大人になり、発言する場合や行動に移す場合は相手や周りの人々をなるべく不快にさせぬよう、考慮している。それが「大人」ではないだろうか。それなら「子供」って?復讐をせざるを得ない者だ。子供の喧嘩の原因のほとんどがやられたからやり返した、ではないか。攻撃された痛さや情けなさ、悔しみを攻撃でしか相手に伝えられぬ子供。別にいい。それから色々学び、攻撃を言葉で説得する力を付ければ。紳士がわざわざ猿になる必要はない。それでは戦争や争いは終わらない。

主演のクリスチャン、エリアス。彼らもまた、復讐の痛さや無意味さを知ることが出来た関係。登場人物すべてが悩みを抱えており、感情移入させられる。父の存在、母の悲しみ、愛はどうすれば伝えられるのか。
デンマークの情景と復讐、報復の痛々しい描写が交差する瞬間がどこまでも美しかった。
不評されている邦題についても、私はとても合っていると思う。「未来を生きる君たちへ」は恐らくクリスチャン、エリアスを指しているのだろうが、視聴者側の我々も同じだ。

これからの未来を生きる僕たちは、痛みを分け合うために、この作品が在るのではないだろうか。
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