きっこ

バビロンの陽光のきっこのレビュー・感想・評価

バビロンの陽光(2010年製作の映画)
2.8
  答えなんてみつかるのか。

制約が多かったであろう状況下で、イラク戦争後の、破壊された街並み、混沌とした市勢を映し出したことに、まず、意義があるとは思うのです。
どういう状態なのか。というのを知って欲しい。多分そんな想いもあったことでしょう。
ただ、私は本作の話の流れに引っかかりを感じてどうしても好きになれなかった。
私が母でないからなのかもしれないけれど、あのあばあさんの言動にイライラしたのです。(最初のバスでの展開、それに、言わせてくれないと嘆く姿‥にあざとさを感じてしまいました。)
また、私が日和見体質なせいか(憎悪という感情が理解できないとうのもありますが)
(作品内で)同族を殺した人を非難し、そして、同じく、許しを描いた流れに、そんなあっさりでいいの?というもやもやした感情を抱いたせいでもあります。

そして、
大量の、人であったモノ、250万という数字に、何なんだ?意味がわからない。と、戦争を知らない私は思うのです。
それは60年以上前、日本でも多分あったろうこと。
私は知らないし、理解できない。
無知であることが罪であることは時にあります。そのこと自体が人を傷つけることだってある。
けれど、逆に、知らないからこそ、囚われない感情もあると思うのです。こども達は次の時代を作っていく。こどもは希望です。
劇中、息子を必死で探し出していた母は、彼女の光を求めていたのでしょうか。
本作はSONを陽光と訳しています。
彼女の子の子であるアーメッドは、まだ負の連鎖はつながっていません。
その存在こそが希望なのだと。
そして、彼の今後に、光射さんことを切に願う。

追)ぬくぬくと平穏無事に育ってきた私に何が言えようか?何もいえることなんて本当はない。
けれど、どこかで言い訳を用意してしまう。
わかったつもりになって終わってしまう。その繰り返し。
偽善と言われても仕方ないけど、それでも、やはり、願わずにはいられない。そういうふうにできているから
(映画生活投稿分2011)
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