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ツィゴイネルワイゼンのkikkiのレビュー・感想・評価

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)
3.2
生と性、そして死がまとわり付く。その境目が曖昧にも思えてくる。ちぎり蒟蒻や腐りかけた桃も、エロス極まりない。貪るように欲を満たそうとする不気味な程の色気を放つ男と、一方で理性で感情を抑えようと苦しむ様が痛い男の2人には、対照的である事を互いに憧れているような偏愛を感じる。私には難解で、感覚で観るしかなかったけれど、見える、見えない、聞こえるか聞こえないかという話も、本質を見極める力のない私を終始にわたり嘲笑しているようで、憂鬱な気分にさせた。鈴木清順、恐ろしい。
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