ツィゴイネルワイゼンの作品情報・感想・評価

「ツィゴイネルワイゼン」に投稿された感想・評価

信頼関係を築いている大学教授(藤田敏八)と風来坊の男(原田芳雄)が、旅先で出会った芸者(大谷直子)の幻影に取り憑かれてしまう。内田百閒・著「サラサーテの盤」から着想を得ている、サスペンス映画。(私は原作を読了済み)

「作品テーマを明示せずに、鑑賞者の感性をひたすら刺激する」という、芸術志向の作風。大正モダンの雰囲気作りに秀でているため、映像内の情報量に圧倒される。

主人公2人組は、現実主義者とロマン主義者に分かれており、異なったベクトルから、互いの結婚生活を揺り動かす。全体的に「生(性)と死」「胎内回帰」のイメージが色濃く出ており、田中登監督「(秘)色情めす市場」との重複が感じられる。

演者の台詞回し、効果音の挿入、カット割りのタイミングなど、あらゆる手法を感性の赴くままに駆使している。作品全体から伝わってくるリズム感が心地よく、すべてが黙阿弥調になっているかのような錯覚に陥る。
rain

rainの感想・評価

4.0
「骨は肉の極みですよ」
謎だし怖いし、不思議な映画。
息の詰まる熱病にみる幻覚の世界。
耽美です。
なにが起こってるんでしょう。とにかく掻き乱される。カメラワークから雰囲気からなにからなにまですっごく気持ち悪いです。

夢野久作の『ドグラ・マグラ』を読んだときの感覚に似てるような気がした。
文字と映像でそもそもちがうし、内容もちがう作品なのに同じような感覚が得られるっていう世にも奇妙な体験でした。

唯一、チゴイネルワイゼン=浮浪者の意味はなんとなく腑に落ちたかな。

若いときの樹木希林さんあまり変わってなかった。

果実を食べるときの絵と、和服とピアノのコラボが美しかった。
ドグラ・マグラ的難解意味ありげな日本文学という感じ。潜在的ほもかな?と思った
知り合いにあしからないさんっぽいと言われた分からない
期待して観たわりにはそこまでって感じ
ストーリーが面白いとかじゃなくて芸術作品のような官能的で狂気的な描写を楽しむものなのかな
T

Tの感想・評価

3.5
回転するレコードのアップの中、タイトル通りのツィゴイネルワイゼンがかかる。死んだ女の股で蠢く紅い蟹が段々と大きくなりながら、鳴り響く“ザッザッザザザッ!”という音。口づけの時に口から飛び出たり、死んだ弟の骨が内側から染まったり、“真っ赤に染まる”ことの意味合いとは。暗い屋敷の中で一瞬紅い鏡に女が映るシーンが某イタリア映画かよって怖すぎた。花火を見上げる人間たちの“ゾンビ”的な描かれ方や、障碍者3人の電車内でのシーン等、人がいることが不安を掻き立てる逆説的なアプローチが随所の不穏な効果音と合わさり恐怖へと変わる。妙齢の痴女による眼球レロレロシーン、エロすぎる。印象的なシーンは星の数ほどあるが、映画として超面白いかと問われると実際そうでもない。
Hiromasa

Hiromasaの感想・評価

4.3
中学生のとき見て、これはさすがにすごいと思いました。大谷直子とか、桃とか、細部の印象は強烈ですが、全体としてはどうなのか、また見直したいですね。
悟

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3.7
アフレコばっかですごい静かな映画。
不思議な劇みたいだった。
高田A

高田Aの感想・評価

5.0
約140分間、惑わされ続けました。

原作を学校の図書館で借りて読みましたが、理解の助けとはなりませんでした笑
書庫番

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4.4
2018年12月4日 レンタルDVDにて鑑賞。

内田百聞の短編「サラサーテの盤」他を原作とした(ノンクレジット)、五人の男女が現世と常世が交錯する世界を彷徨う姿を幻想的に描く、鈴木清順の代表作。

軸となるストーリーは勿論あるのだが捉えどころのない、然し観る者の心と頭の中を確りと侵食してくる様な作品だと感じた。
死の影が纏わり付く自由人の中砂と、その友で生真面目で現実的な青地。
この表裏一体とも言える二人の関係が、既にこの作品世界全体を象徴している。

鑑賞途中は難解だとも感じたが、観終わった後は不思議と自然にあれこれ考えを巡らせている。
5人の男女の関係性や死の謎……いや死んでいるのかいないのか、そもそも本当に最初から生きていたのか?
作品を振り返る事でこんなに心揺さぶられる事も中々ない。

原田芳雄演じる中砂の野性と知性が同居する感じがとても魅力的に映るし、それを引き立てる存在でもある青地を演じる藤田敏八が(猫背も含めて)また良い。
水密桃(と原田芳雄)を舐めまわす大楠道代と、序盤の光が後で色濃く影を成す大谷直子がとても淫靡な美しさを醸し出す。

本作は鑑賞すればするほど深みに入り込ませてくれると感じ、ソフト購入を検討中。
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